舞台『熱帯樹』に見る機能不全家族
どうも、いちこです。
先日、愛知県東海市の東海市芸術劇場大ホールで舞台『熱帯樹』を鑑賞しました。
東海市芸術劇場は名鉄太田川駅のすぐ隣にあり、アクセスしやすい劇場です。
愛知県民のソウルフードと言われる、スガキヤのラーメンを食べた後、劇場へ行きました。
『熱帯樹』は、三島由紀夫が書いた作品です。
非常に簡単に(乱暴に?)ストーリーを書きますと、まず登場人物として資産家の夫婦がいて、その子どもとして兄と妹がいます。そして、妹を看病する夫のいとこの女性が物語に登場します。母は息子に夫を殺させようとして、妹は兄に母を殺させようとするというお話です。
簡単にストーリーを書いただけでも凄まじい話ですが、(割愛しますが)細かく描写すると更に凄まじい話です。
この資産家の家族が典型的な機能不全家族なんですよね。
父親も母親も見事に父母の役割を果たしていません。
父親は妻や子どもたちのことを支配しようとはしますが、子どものことには凡そ興味を抱かず、妻には自らの理想の妻像を押し付けようとします。
妻や子どもたちへきちんとした愛情を与えず、ただ微笑んでさえいればいいという考えです。
恐っ!!
妻は夫の押し付ける理想の妻像に適応しようとしていますが、押しつけてくる夫に憎しみを抱いています。
子どもに対しては、息子に対しては興味を持っているようですが(母として息子への健全な興味ではない)、娘には興味を持っていません。
この家族に生まれた息子と娘は大変だなあと思います。機能不全家族のことは私も少なからず知っていますが、この家族に生まれたら本当に頭がおかしくなると思います。
機能不全家族に興味がある方は、今回の舞台は終わってしまいましたが、図書館には本が所蔵されているようなので、是非戯曲で読んでみてはいかがでしょうか。